集合住宅に住んでいても、バルコニーなどに鳩が飛来してしまい困ることがあります。
特に、止まり木の少ない都心部ではマンションなどが鳩にとって生活しやすい環境になっているため、被害が多く発生しています。

しかし鳩の防除には多くの場合、費用がかかります。
賃貸住宅の場合、その費用を住人が負担するのか、管理会社や大家などの貸主が負担すべきなのかを巡り、大きなトラブルになることがあります。

一般的に見られる傾向と、住人・貸主として出来る対策をご紹介します。

目次

多くの場合住人負担に。責任の所在を問うことは難しい。

賃貸住宅の場合、部屋の修繕や設備の不具合などは明確に貸主の責任範囲となります。

しかし害虫の発生など、住人自身が対処しなければいけない問題もあります。

外から飛来する鳩の場合、責任は貸主か住人かということに明確な規定を設けることが困難なため、非常に扱いが難しい問題となります。

貸主に対処を依頼してもなかなか行動してもらえず、そうこうしているうちに巣を作られ卵を産まれてしまうこともあります。
時間が経てば経つほど悪臭や糞被害もひどくなっていき、隣家にも影響を及ぼすことになります。
そのため、仕方なく住人負担で対策することが多いのが現状です。

ほとんどの場合、貸主による対処は望めません。

被害に遭わないために、住人として出来ること

バルコニーなどに鳩が飛来するようになると、洗濯物を干しづらくなったり、糞や抜け落ちた羽による衛生面での問題や悪臭など、非常に困った事態になります。

以下のような方法で、鳩を寄り付かせないための予防をしておきましょう。

  • 1.鳩がとまりそうな場所に、定期的に忌避剤を塗布する
  • 2.プロテクターやネットなどで侵入を予防する
  • 3.超音波などの害獣対策器を設置する

上記の対策は、どれも数千円程度で必要な物を入手出来ます。
住んでいる物件の規約で美観維持に関する規定がある場合や、薬剤を塗布することに抵抗がない場合は、忌避剤塗布が効果的でしょう。
定期的な塗布が必要ですが、鳩の学習能力を逆手に取って、効果の持続が期待出来ます。

特に美観を気にしなくて良い環境であれば、ネットやピン型のプロテクターを設置することも有効でしょう。
ただし高層階などの場合、ネットを張る作業は危険を伴う可能性もあるため、難しい場合は無理をせず専門業者へ依頼しましょう。
一部屋分のネット張り作業であれば、材料費を含めても2万円前後で対応してくれる業者もあります。

美観を損ねることは出来ず、かと言ってネットを張ったり薬剤を塗布することは気が進まない場合は、害獣対策器を設置する方法もあります。
ソーラーパワーで稼働し、鳩を察知して作動するものが多く、防塵・防水機能も備えたものが主流になっています。
安いものなら1万円もしない価格で市販されています。

すでに鳩がとまっているのを何度か見たことがある、鳩の糞がよく落ちているという場合には、上記1~3にあるような対策を複数講じた方が良いでしょう。
重ねて、高層階のバルコニーでの作業は十分注意しましょう。
高層階でネットを張りたい場合は、転落事故防止のため、業者へ依頼することを強くお勧めします。

トラブルを未然に防ぐために、貸主として出来ること

各部屋のバルコニーへの鳩飛来は住人の責任範囲であるとしても、貸主としては出来るだけトラブルや住人との関係悪化は避けたいものです。
そのために、何が出来るでしょうか?

新築時もしくは鳩被害が生じる前に全戸のバルコニーを覆うネットを張ってしまえば、低コストかつ長期間に渡って侵入防止になり、住人に苦情を言われることもなく効果的です。
しかし、今からそれは無理だという場合もあります。
その場合は共用部分の対策を行いましょう。

例えば階段部分や吹き抜け、エントランスや駐車場などについては、貸主で飛来予防をしましょう。
専門業者に相談し、それぞれの場所に適した予防施工をしましょう。
まとまった費用がかかりますが、そうしておけば「共用部分は全て対策してありますので、お部屋の方の対策は入居者様でお願いします」と言いやすくなるかもしれません。

まとめ

鳩は日本中どこにでもおり、外から飛んでくるものなので、賃貸アパート・マンションの場合は責任の線引きが非常に難しい問題です。
ほとんどの場合は住人が自費で対処することになります。

住人も貸主も、鳩が来てしまう前に出来る範囲で予防対策をしておけば、鳩だけでなく無用なトラブルも回避することができます。
先行投資も少額で済みますので、賃貸であってもしっかりと対策をしておきましょう。