公園や駅周辺で多く見られる鳩、平和の象徴として穏やかなイメージを持っている人も多いでしょう。

しかし、大量繁殖してしまうと人間にとって害になってしまいます。糞害や作物を食べてしまうなど害鳥になることもある鳩ですが、住宅敷地内に卵を産んでしまったらどう対処すればいいのでしょうか。この記事では、敷地内に卵を産んでしまった場合の対処法について解説します。

目次

鳩はどんな場所に卵を産むの?

鳩(ドバト・キジバト)が卵を産みやすい場所として挙げられるのは、ベランダです。

鳩は安全なところに巣を作り産卵するという習性があります。そのため、ベランダのなかでも室外機の裏や下、植木鉢の裏など人の目が届きにくく安全なところに巣を作ることが多いのです。特に、人の気配が薄いベランダは鳩にとって格好の巣作り場所だといえるでしょう。また、鳩はもともと岩場などに巣作りをしていた習性があるため、高層階も要注意です。高層階であまり使っていないベランダがある場合には、鳩の巣作り場所として狙われる確率が高くなりますので注意が必要です。一軒家なら、2階の屋根の下など人の手が届きにくいところも要注意です。

鳩の繁殖期のピークは4~6月ごろになります。秋に繁殖期がピークを迎える鳩もいますが、大半は春から初夏にかけて繁殖期を迎えます。しかし、ここで誤解してはいけないのが、4~6月にしか卵を産まないというわけではないことです。繁殖期のピークは春から初夏ですが、鳩は一年中繁殖しており年に4回程度産卵するといわれています。また、鳩は帰巣本能が強いので、一度巣を作ると戻ってきて何度も卵を産む習性があります。雛も同じようにパートナーを連れて戻ってきて巣を作り産卵することが多いので、まず巣を作られないようにすることが重要になります。

鳩が卵を産んでしまった!自分で駆除するのはNG?

鳩がベランダなどに巣を作ってしまった、卵を産んでしまったという場合に、自分で処理しようと考える人もいるかもしれませんが、これはNGです。実は、鳥獣保護法により鳩は守られているのです。そのため、無断で捕獲したり駆除したりするのは禁じられており、違反すると1年以下の懲役または罰金となっています。知らない人が多い法律でしょうが、野生の動物や野鳥の捕獲・殺傷だけでなく、卵についても採取が禁じられています。そのため、自分で処理するのはやめましょう。

どうしても自力で対処したいという場合は、行政機関に相談してみてください。各都道府県が定めている条例で、鳩が認可駆除対象になっている場合に、個人で駆除の許可申請が通れば、駆除をすることが可能になっています。各自治体によって駆除対象は違うため、確認してみるといいでしょう。しかし、鳩は人の手が入りにくい場所や届きにくい場所に巣を作る傾向があるため、自力で駆除するのは難しいかもしれません。また、帰巣本能が強いため、巣や卵を駆除しても戻ってきて再び巣を作ることがあります。そうした習性についても覚えておきましょう。

巣を作られないように対策を立てよう

卵を産んでしまうと自分で対処することは難しくなりますから、卵を産む前、つまり巣作りする前に対処することが重要になります。巣作りされてしまったら力ずくで追い出すことは法律上できません。巣作りされないように前もって対策を立てるようにしましょう。

簡単なのは、鳩の嫌いな臭いを利用する方法です。鳩はバラの香りが嫌いとされていますので、バラの香りのするグッズやバラを育てるなどすると効果が期待できます。家庭に常備してあることの多い漂白剤も鳩の嫌いな臭いなので、漂白剤を薄めてベランダなどに撒いておくのも効果的です。鳩よけの薬剤などもありますから、ホームセンターなどで探してみるのもいいでしょう。

また、鳩の天敵であるカラスや猫、蛇などの置物を設置してみるのもひとつの方法です。天敵がいる場所に巣を作ろうとする鳩はあまりいないため、寄り付かなくなる可能性が高いでしょう。剣山を鳩がとまりやすい場所に置いておくのも効果が高いといわれています。鳩がよく休みにくるような場所に設置しておくことで物理的にとまることができなくなりますし、安全ではないということで巣を作られない確率が高くなります。室外機の上やベランダのなかでも糞害がひどいところに置いておくようにしましょう。
同じように、テグス(釣り糸)を設置するのもいい方法です。テグスを手すりや腰壁などに張りめぐらせば、鳩が驚き近寄らないようにすることができます。鳩よけネットなどもありますが、マンションによっては使用を禁止されていることもあるため、使用する前に管理規約や使用細則などで確認しておきましょう。

まとめ

鳩は鳥獣保護法により守られているため、敷地内に卵を産んでしまうと自分で対処することは難しくなります。そのため、巣作りされないようにする対策が必要になります。

すでに卵を産んでしまった場合には、駆除業者に相談をするといいでしょう。駆除業者によっては駆除作業だけでなく、清掃や巣作り防止処置なども行ってくれます。鳩による被害に悩んでいるのなら、一度検討してみてはいかがでしょうか。