地域によっては、夏前の時期になるとコウモリの糞尿による被害が発生します。
玄関先や軒先などでコウモリが糞をしてしまい、不衛生になったり臭いに悩まされたりするのは辛いことです。

しかしコウモリは「鳥獣保護法」という法律で指定されている保護動物のため、捕獲も殺傷もできません。
では、コウモリを傷つけることなく追い払うには、どのような対策が出来るでしょうか。
個人でも手軽に実施できる、効果的な2つの撃退策を取り上げます。

目次

超音波発生器を設置する

コウモリを寄せ付けないために出来ることとして、コウモリが嫌う超音波を発生させる「超音波発生器」を設置することがあげられます。
約20cm四方程度の小さい機械なので、置き場所や景観を害する心配もありません。
赤外線センサーを搭載しており、設定した範囲へコウモリが飛来した時に、自動で超音波を発することが出来ます。

多くの機種では超音波だけでなく、コウモリが嫌う強烈な光を放つ機能や、コウモリが近づいた時に威嚇音を鳴らす機能も備えています。

機種によってはコウモリが慣れてしまわないように、超音波をランダムに発生させる機能がある場合もあります。
また夜行性生物のコウモリにとって、強い光を浴びることはストレスや恐怖を感じます。
学習能力も高いため、一度恐怖を感じた個体は再来することがなくなります。
コウモリの天敵である猛禽類や肉食獣の鳴き声に似せた威嚇音の発声も、コウモリに恐怖心を植え付けるので効果的です。

超音波発生器は、薬剤を散布したり美観を損ねる障害物を設置したくない場合に適した方法です。
超音波と言っても、人やペットの身体、また、通信機器などにも無害な波長の超音波なので安心です。

上記のような多機能機種でも1万円程度の価格のものが多くあり、リーズナブルな対処法でもあります。

防鳥ネットなどを張る

すでに何度かコウモリが飛来しており、侵入経路やいつも留まる場所が分かるなら、その場所にネットを取りつけて侵入を防ぐことも効果的です。
その場合は、防鳥ネットなど網目がとても細かいものを使用しましょう。
家にやって来るコウモリのほとんどが「アブラコウモリ」で、体長はわずか5cm前後と小型のため、2cm程度の隙間があれば入り込めることもあるからです。

夜行性のコウモリは大抵、夕方暗くなり始めた頃に餌を求めて飛び立っていきます。
出て行ったのを確認したタイミングで素早くネットを張る必要があります。
取り付ける場所がどうしても高所になりがちなので、足場を踏み外したりしないよう、作業する際は十分注意しなければなりません。
コウモリの通路であれば周囲に病原菌が付着していることもあるため、マスクやゴーグル、使い捨て手袋などで防備をする必要もあります。

取り付けを業者に依頼すると、定期点検などのアフターフォローサービスがある場合もあります。
ネットは定期的なメンテナンスも必要なので、安全と手間のことを考えると、自分で作業するより業者へ依頼した方が効率的かもしれません。

煙剤や忌避剤を散布する

煙剤や忌避剤は、コウモリが留まっている場所が正確に分からない時にも、家から追い払うことが可能です。
屋根裏や天井裏など、ピンポイントで居場所を把握しづらい場所にコウモリが入り込んでいる場合は効果的です。
煙剤や薬剤を使用すれば、そのような手が届きにくい場所でも隅々まで広がり、駆除出来ます。
逆に、コウモリがいるのが屋根裏や天井裏などの密閉空間でない場合は、あまり効果的な方法ではありません。

普通の蚊取り線香のようなものも煙剤として代用が可能ですが、コウモリにとって忌避効果のあるハーブやハッカ成分を含んだ煙剤や忌避剤の方が遥かに効果的です。

煙剤や忌避剤は、コウモリを居場所からあぶり出すために効力を発揮しますが、ずっとその場に寄せ付けないという効果はありません。
あぶり出した後は、ネットや柵で入り口を塞ぐなど、再来を防ぐ仕上げ対策が必要です。

まとめ

コウモリの駆除対策には、主なものとして「超音波発生器設置」「防鳥ネットの設置」「煙剤や忌避剤の使用」があります。

どれも長所短所があるため、状況に応じて適したものを選択しましょう。
ネットを設置の際は、後々のメンテナンスや作業場所の危険も考えて、場合によっては業者へ施工を依頼した方が効率的です。
煙剤や薬剤を検討する場合は、健康に問題がある人や乳幼児、妊婦などへの影響を考慮し、施工中は外出させるなどの処置をしましょう。

自分で対策をしても被害が続く場合は、早めに専門業者へ相談することをお勧めします。