深夜、トイレに起きたら天井裏からパタパタという音が聞こえた、フンらしきものを見つけたという経験があれば、ネズミが住みついている可能性があります。実際に遭遇することはなくても、ネズミが家に住みつくとさまざまな被害が生じるため、早めの対策が必要です。

そこで今回は、ネズミによる具体的な被害や追い出す方法、再発防止策について紹介していきます。

目次

ネズミが家に住みつくとどんな被害があるの?

日本の家に住みつくネズミは「クマネズミ」「ドブネズミ」「ハツカネズミ」の3種類が大半です。クマネズミは15~20cm程度の大きさで色は茶褐色、しっぽが長く高いところが好きなので天井裏にいることが多いという特徴があります。
ドブネズミは体長が20~30cm程度と大き目で、床下や水回りに住みつくことが多いのが特徴です。そして、ハツカネズミは5~15cmと小さいため、ちょっとした隙間から家のなかに入り込み、狭いところに住みつきます。
どの種類も環境適応能力に優れ学習能力が高いので、一度家に住みついてしまうと厄介な害獣です。繁殖力も高く、生後2~3カ月たつと繁殖できるようになるため、あっという間に数を増やします。

ネズミによる被害は、騒音やネズミの存在による精神的ストレスだけではありません。たくさんの病原菌を持っているため、噛まれたり排泄物があったりするだけで感染症にかかってしまうリスクが考えられるのです。
特に、寝たきりのお年寄りや赤ちゃんは、ネズミに噛まれても防御反応をとれないこともあり、非常に危険です。また、排泄物にはサルモネラ菌やE型肝炎ウイルス、ハンタウイルスなどが含まれている可能性があります。

さらに、排泄物や死骸による悪臭の被害も生じます。見えない場所に死骸があったなどの理由で長く放置してしまうと、腐敗がすすんで臭いも簡単にはとれなくなってしまいます。加えて、ネズミは伸び続ける歯をケアするために、何かをかじる習性があります。大切な柱や壁をかじられるだけでも大きな被害ですが、万が一配線ケーブルをかじられると、停電や火災を引き起こすおそれも考えられるため早めの対策が必要です。

ネズミを追い出すにはどうしたらいいの?

ネズミを追い出すには自分で撃退グッズを購入して行う方法と、業者に依頼する方法があります。撃退グッズの種類は豊富なので、家の環境や目的に合わせて選びましょう。たとえば、ネズミをその場所から追い出す「忌避剤」を使用した場合は、直接ネズミに触れることなく追い出すことができますが、再度戻ってくる可能性があるため、何度か繰り返して使用する必要があります。
スプレータイプ、燻煙タイプ、設置タイプなどいくつか種類があるので状況に応じて選びましょう。

二度と戻らないようにするには「殺鼠剤」で確実にネズミを殺す必要があります。ただし死骸は自分で処理しなければいけませんので充分に考慮しましょう。
捕獲機や粘着シートを利用してネズミを捕まえる方法もありますがいずれにしても後処理が必要となるので捕まえた後の処分の準備をしておく必要があります。

一方、業者に依頼する場合は、駆除からネズミが入り込まないための環境改善まで行ってもらえます。単独で住みついているうちは自分で処理することも可能ですが、集団で住みついている場合は駆除が難しいため、業者に依頼すると安心です。
自分で行うよりも費用はかかるものの、素人では手の及ばない部分まで対処し、場合によっては短期間で効果が期待できる可能性があります。また、電話一本で対応してもらえるため、特別な手間を必要としません。

ネズミ被害の再発防止を徹底しよう!

ネズミを家から追い出したら、二度と住みつかれないような環境をつくる必要があります。まずは、侵入経路を塞ぐことです。一度住みついたということは、ネズミにとって居心地のよい環境だったということです。
そのため、そのままでは一度追い出しても、また戻ってくる可能性が高いといえます。フンや尿、足跡などをたどって侵入口を見つけましょう。
侵入口があったら防鼠パテや防鼠金網を使い分けて侵入口を塞ぎます。業者に依頼をすれば、ほとんどの場合、侵入口を塞ぐ作業までしてもらえます。

つぎに、ネズミのエサとなる食料を置かないことも大切です。特に、勝手口近くにゴミ箱を置き、蓋をしていないなどの心当たりがある場合は早急に対応しましょう。
簡単にゴミ箱をあされる状況をつくっていると、何度追い出しても戻ってきてしまいます。ペットが残したペットフードも立派なエサなので、食べ残したらすぐに処分する必要があります。

さらに、ネズミが住みやすい環境をつくらないことも重要です。たとえば、段ボールや衣類、布製品などを押し入れなどに長期間放置していると、いつのまにか住処となっていることがあるので注意しましょう。
加えて、普段は使用していない部屋も、荷物や布団などがあればネズミが住みついてしまう恐れがあります。定期的に掃除や点検をして、ネズミが住みついていないか確認しておくと安心です。

まとめ

ネズミが一度家に住みついてしまうと、精神的にも経済的にも被害を受けます。単独のうちは自分で対処することもできますが、あっという間に集団になるので、完全に追い出すのは難しくなるでしょう。

そうなった場合は、専門的な知識と技術を持った業者に依頼すると安心です。また、ネズミを追い出すことに成功したら、侵入口を塞ぐ、エサを置かないなどの再発防止に努めましょう。